今回の記事のテーマは、
中小企業診断士になると人生変わるのか?
さて、あなたはどう思いますか?
「あれだけ難関な資格だから、もし取れたら人生変わるに決まっている!」
「中小企業診断士になったって、人生が変わるわけがない」
と、賛否両論あることでしょう。
ただ、シビアに見ていくと、世間一般的には否定的な意見のほうが多いような気がします。
というのも、Gooleで「中小企業診断士」と検索すると、
- 中小企業診断士 役に立たない
- 中小企業診断士 やめとけ
- 中小企業診断士 意味ない
などのネガティブな関連ワードが多数出てくるからです。これは、このようなキーワードの組み合わせで検索している方が多くいる証拠。
残念ながら、世間一般のイメージやムード(雰囲気)を高い確度で反映しているのです。
では、本当に中小企業診断士は役に立たなかったり、意味がなかったりするのでしょうか?
そして、人生を変えることは出来るのでしょうか?
分かりやすく、ポイントを解説しますので、ご一緒に考えていきましょう。
■
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目次
中小企業診断士の資格を取得すると、人生は変わるのか?
まず結論を・・・という訳ではありませんが、私の考えを述べますね。それは
- 「必ず人生を変えてやる!」と強い決意と実行を継続すれば、必ず人生は変わる
というもの。一見精神論と思われるかも知れませんが、私はそうは思っていません。
そもそも「中小企業診断士を取得したら人生変わる?」という質問自体、他人任せというか受け身的だと思いませんか?
この問いの対象となっている人は、少なくとも中小企業診断士に合格する位、能力のある方です。
その方が「絶対成功してやる」と死に物狂い、歯を食いしばって仕事に邁進すれば、成功しないほうがおかしい、と思いませんか?
もちろん、独占業務のない中小企業診断士ですから、一言で「成功」や「人生変わる」といっても、様々なパターンがあると思います。
ただ、資格取得直後は中小診断協会に入り、諸先輩方のネットワークを借りて、それをテコに自分の人生を変えていくなど、一定のパターンがあるのも事実です。
とにかく、中小企業診断士になれただけの能力、そして資格取得後に「使えるものは何でも使い、必ず人生を変える!」という強い気持ち・・・・これらが揃えば、高い確率で成功できるはず、と考えています。
この考えは決して妄想ではなく、ロジカルに考えた当然の帰結です。
中小企業診断士になると人生変わると言われる理由
中小企業診断士を取得すれば人生変わる/変わらないの賛否両論について、なぜそのような意見が出てくるのか、詳細に分析してみましょう。
まずは「人生変わる」と言われる理由から
経営コンサルティングに関する難関国家資格だから
中小企業診断士は経営コンサルティングに関する唯一の国家資格です。しかも難関国家資格とくれば、
「経営のプロフェッショナルなんだろうな」と考えるのは当然。
経営のプロ=仕事で成功するイメージがありますから、「人生変わる」と考えるのも無理ないことでしょう。
転職や就職に役立つから
一般企業では、中小企業診断士の資格者に対する求人はそう多くありません。
しかし、コンサルティング会社の場合は違います。中小企業診断士資格を持っていれば、コンサル経験が無い他業種からの応募でも採用される可能性は高まります。
コンサル会社の場合、入社してから実力主義の会社がほとんどなので、最初はそれなりに苦労すると思いますが、貢献できるようになれば、高い報酬も夢ではないでしょう。
社内での評価が高まり、出世に繋がるから
経営のプロの資格が、一般企業で役に立たない訳がありません。
資格手当を出す企業や、金融機関などでは中小企業診断士の取得を昇進条件としている企業も存在します。
独立して成功している人が一定数いるから
独立した中小企業診断士の年収は300万~3000万円と言われます。
かなり幅がある数字ですが、稼いでいる方は、それだけの収入があるということです。
人的ネットワークが広がるから
中小企業診断士の人的ネットワークが広がる要因の第一は、何と言っても中小企業診断協会の存在。
中小企業診断協会の入会は任意ですが、入れば圧倒的に人脈が広がります。診断協会には多くの研究会もあり、興味や関心を同じくする者同士、知り合えたり繋がったりできます。
中小企業診断協会の入会について賛否あると思いますが、私としては、資格取得直後はまず入会してみることをおすすめします。
その他にも、受験生時代の勉強仲間のネットワーク、実務補習時代の指導員やメンバーとのネットワークなど、様々な繋がりができます。
その分、チャンスが広がる可能性もあるわけです。
中小企業診断士になっても人生変わらないと言われる理由
続いて「人生変わらない」と言われる理由を見ていきましょう
独占業務がない
独占業務とは、有資格者しか取り扱うことができない業務です。たとえば、他人のために税務の仕事を代行できるのは税理士のみ、他人の法律行為を代理できるのは弁護士のみ、など多くの士業には独占業務があります。
残念ながら、中小企業診断士には独占業務がありません。資格を取っても自動的に
有利になる(有資格者のみができる)ことはないのです。
もっとも、現在では独占業務がある資格でも、決して安心はできません。
普段から地道な営業活動をしたり、顧客に価値あるサービスを提供できるように自己研鑽を積んだりしなければ、人生を変えることは難しいでしょう。
難易度の割に専門性が高くない
中小企業診断士は経営コンサルタントの国家資格だけあって、難易度はかなり高いです。合格するための勉強時間は1000~1200時間と、働きながら目指せる資格のなかでは最難関と言われてたりします。
また、試験科目の範囲も広く、1次試験だけで7科目もあります。1次科目の内容を以下のとおり一覧にまとめましたので、ご参考まで。
- 企業経営理論
- 財務・会計
- 運営管理
- 経済学、経済政策
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営、政策
さらに2次の筆記および口述試験があり、それらに合格してもコンサル実務への従事もあります。
ただ、中小企業診断士試験の試験科目は「様々な分野の科目を、少しずつ寄せ集めたもの」と言われることもあります。
中小企業診断士は経営コンサルタントとして、経営全般に係る様々な知識やノウハウを持つ必要がありますが、「弁護士=法律のプロ」「会計士=財務や会計のプロ」のような、特定の分野の知識を深く修めた資格試験ではないのが現実です。
このように、専門性が高くないので、何かを劇的に変えるような資格ではない、という考え方もあるでしょう。
資格を取っただけでは机上の空論である(実務経験が重要)
どの資格も同じですが、ただ試験勉強をして、ペーパーテストに合格しただけでは、お客様に付加価値を提供できる経営コンサルタントとは言えません。
経営コンサルタントは、能力が重視される仕事であることは間違いなく、その能力とは経験や実績から生まれるものです。
企業を経営した経験があったり、特定のビジネスの業務経験が豊富だったり、または、多くの顧客を指導した経験があったりして初めて、顧客の満足する経営コンサルティングを提供できるはずです。
つまり、資格を取っただけで、すぐに大きな変化があるわけではないということです。
まだまだ知名度は低いのが現実
2016年(平成28年)、日経新聞が公表した「ビジネスパーソンが新たに取得したい資格ランキング」内で、なんと中小企業診断士が1位となりました。
その後、毎年1~3位以内に入るなど、一定の人気を維持しています。
従来より、着実に知名度が上がってきているのは間違いありませんが、一方で、世間一般においては、弁護士や公認会計士、税理士などと比べてあまり知られていないのは事実です。
中小企業診断士という資格が知られていなければ、「仕事を頼もう」というニーズが発生しないのは当然の帰結。
資格を取っても、すぐに大きな変化を起こせることはないだろう、ということです。
低収入な中小企業診断士が実際にいる
前述のとおり、独立した診断士の年収は300万~3000万円と言われています。
実際に300万円程度しか稼げていない診断士もいる、ということです。
もっとも、診断士の場合は、サラリーマンが定年後に資格を取り、定年後の自己実現やセカンドライフとして薄給でも企業診断や講師の仕事をやらせて頂く、なんてケースがあります。
そうしたことが年収レベルを押し下げていることも考慮する必要はありますが、十分な仕事を確保できていない診断士がいることは間違いありません。
中小企業診断士になって人生を変える方法
ここまで見て来たことを踏まえ、ここからは診断士の資格を取得をきっかけとして、あなたの仕事や生活を大きく変えるための具体的な方法について考えていきましょう。
まずは人的ネットワークを構築する
前述のとおり、診断士になれば圧倒的に人脈を広げるチャンスに恵まれます。
- 中小企業診断協会(研究会を含む)
- 受験生時代の勉強仲間のネットワーク
- 実務補習時代の指導員やメンバーとのネットワーク
ネットワークが広がれば、確率的に、新しい仕事や更なる出会いの機会が増加するでしょう。
そうしたなかに、将来、あなたを取り巻く環境を大きく変える要因が存在する可能性がありますので、一つひとつのご縁を大切にしていく必要があります。
副業からスモールスタートする
ネットワークの広がりにより、ご縁や出会いの機会が増えたとは言え、それらがすぐに人生を変えるほどのインパクトを持つわけではありません。
そのため、焦って独立しても、すぐに人生が好転する可能性は低いでしょう。
企業に勤務されている方であれば、当面は本業を続けたまま、様々な出会い・ご縁から生まれたチャンスを副業としてこなして行くのがおすすめです。
そして、ある程度、道筋が見えたところで独立されるのが良いでしょう。
もっとも、診断士資格を取れば、資格講師などの仕事はありますので、すぐに独立しても、それなりに何とかなってしまう側面はあります(管理人がそうでした)。
ちなみに、ユニクロの柳井社長の著書に「一勝九敗」という書籍があります。
つまり、ビジネスは勝敗の数や確率ではないのです。とりあえず「手数を多くする」ことが成功への一歩。
10回チャレンジして、9回失敗しても、10回目でビジネスが大成功すれば、あなたを取り甘く環境が変わりますよね?
大切なことは
- 小さな挑戦を繰り返す
- 失敗しても次の挑戦ができるように、すべての資産を使い果たさない
という2点です。
方向性を考える
人的ネットワークが広がり、様々なチャンスを手にする機会がふえるに従い、それら全てに対応していくことは難しくなります。
「何を選択し、何を捨てるか?」
自分のなかで、取捨選択の基準を作らなければなりません。爆発的に成長するためには、こうした方向性を考えることが重要です。
自分自身の専門を活かす
方向性を考えるうえで、何と言っても有効な基準となるのは「自分自身の専門性」です。
通常は、前職や過去の経験から、あなた自身が専門的な知識・スキル・ノウハウを持つ分野と関連するものを選ぶべきでしょう。
もちろん、「過去に経験・実績は無いけれども、これから学習して、この分野を目指す!」という分野があれば、チャレンジするのは止めません。しかし、他人より努力や苦労が大きくなることを十分に覚悟することが必要です。
営業やマーケティングに力を入れる
どんなに専門性が高くても、顧客を獲得できない限り、待っているのは廃業。副業にしても独立開業にしても、専門性を高めつつ、顧客を獲得するための集客、営業、マーケティングに尽力しなければなりません。
今の時代、おすすめはWebやブログ、SNS(twitterなど)などを活用すること。診断士になられた方であれば、一般のビジネスパーソンに比べ、文章を書いたりする能力は高いはずなので、そうした力を活かして欲しいと思います。
もちろん、Web集客を始めてすぐに顧客から問い合わせがあるほど簡単なものではありませんが、見込み顧客の課題に応える魅力的なコンテンツを継続的に発信することにより、ネットからの集客が少しずつ可能になっていきます。
「好き」を生業に変える
前項まで、「診断士になって人生を変える方法」を説明しました。
「診断士に合格したら、すぐ人生が変わるわけではない」ものの、一般の方よりネットワークを広げやすいというアドバンテージがあります。
なにより、資格取得の受験勉強で鍛えられた「ロジカルに物事を考えられる」という強みを活かせば、成功確率はグッと上がる筈です。
■
続いて、この項では「好きなことを懸命にやって成功した事例」を2名、ご紹介します。
あいめこさん
あいめこさんは、もともとパソコンの使い方も知らなかった2児のシングルマザー。
その方が、twitterに出会い、懸命に「SNSのバズらせ方」を研究・実践した結果、現在ではSNS運用代行や企画マーケティングの会社を経営する年商1億の社長さんになっています。
そのあいめこさんが最近書籍を出されたということで、私も拝読しましたが、モチベーションが非常に高いのに驚きました。
もちろん、彼女自身の強みだと思うのですが、やはり好きなことをしているので、それだけの潜在能力が発揮されるのではないでしょうか。
数年前、ステイホームの頃に「オンラインキャバクラ」なるものがYahoo!ニュースなどで話題になりましたが、あれもあいめこさんの手がけたものだとか。
実は、あいめこさんの場合は「資格ナシ、コネナシ」ということで、診断士とは関係ないのですが、「好きなこと・得意なことを懸命にやれば道が開ける」という見本のような存在なので、ご紹介させて頂きました。
あいめこさんの波乱万丈の半生や、SNS(twitter)運用の本質については、上記の書籍に存分に書かれているので、よかったらどうぞ!
「はやし総合支援事務所」林雄次さん
「資格だけ取っても意味が無い」というのは事実だが、「常識を超えるぐらい資格を取れば、立派な武器になる」
そんな言葉を実践されているのが、現在、「ITと社労士」というレアな組み合わせで差別化しているほか、「資格ソムリエ」としても活躍されている林さん。
林さんの活躍の詳細は、下記の東洋経済の記事で説明されています。
もともとIT会社の会社員だった林さんは、当初は「新卒で入った会社に、様々な資格取得に対し、資格手当を出す制度があったから」という理由で資格を取り始めたそうです。
しかし、その後、戦略的に取得を進めて180個のライセンスを保持しているのだとか(診断士も含まれます)。
それだけ持てば、十分な差別化要素になりますし、ブランディングも十分。林さんも、好きなことを貫いて大成功した方だといえるでしょう。
中小企業診断士になって人生を変えた管理人の体験記
最後に、管理人自身の体験記をご紹介します。
管理人は、「必ず人生を変えてやる!」と強い決意と実行を継続して来ました。とはいえ、まだ道半ばと思っていますが、一定の成功体験を積んできたつもりです。
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私は40歳前後で診断士試験に合格し、独立志向が強かったので、すぐに独立しました。
とは言え、特に十分な仕事の当てがあったわけではなく、最初は診断士講座の講師をしながら、中小企業診断協会に入会し、諸先輩方と交流しつつ様々な機会を狙う、というスタンスでした。
中小企業診断協会では、地元の区役所の事務仕事などを紹介して頂きました。
残念ながら、それらの仕事の多くは現在までのキャリアアップに貢献するものではありませんでしたが、それでも独立直後の金銭的に不自由な時代に、糊口をしのぐためには本当にありがたいものでした。
そうした中小企業診断協会からの紹介のなかで、現在のキャリアに繋がっている仕事といえば「書籍の執筆(共著)」です。
これは、協会の会員の一人が、知り合いの出版社の編集者に依頼された、ということで、「生産管理」「品質管理」などの市販テキストを数人で分担して執筆する、というものでした。
結果、これが私の最初の著書となり、業務経歴書に「著書」を書けるようになったわけです。こうした積み上げが、業務経歴書を充実させ、新しい仕事が取りやすくなるサイクルが作られるわけです。
一方、協会とは別に、実務補習の指導員の方から紹介された中小企業診断士グループ内で交流しているなかで、「(当時)できたばかりのITパスポートという情報処理系の国家資格を受験してみないか?」という話が出てきました。
私の前職は総合コンピューターメーカ勤務だったため、そのような話が出てきたのですが、「とりあえず何事も経験!」ということで受験してみたところ、なんと第1回試験で1,000点満点を取ってしまいました(受験者約4万人中2人のみ)。
これをチャンスを捉えた私は、また別の知り合いの知り合いに「出版社の元編集者」がいると聞き、紹介してもらいました。
さらに、その元編集者から現役の出版社の編集者を紹介してもらい、その編集者さんとは現在まで10年以上のお付き合いに繋がっています。
出版に関していえば、その出版社からITパスポートの市販テキストを執筆させてもらい、これが初の単著。
うえの本は10年間に6回もの改訂を繰り返したロングセラーとなっています。
※ちなみに、ITが苦手な診断士受験生にはITパスポートの勉強を強くおすすめします。その理由については、下記記事でくわしく解説しています。
その後、2冊目として私の本業である「Webマーケティング」分野の専門書を書かせてもらいました。
これにより、私のWebコンサルタントとしての信頼性・権威性が高まり、多くの顧客からWebマーケティングの事業に対して引き合いが来るようになったのです(書籍の読者、弊社Webページ等から)。
まだまだ道半ばではありますが、私自身は、順調に進んでいる・・・と手応えを感じています。
■
以上が、私の体験談です。
こうしたロードマップは、「如何に不確実なチャンス(機会)を上手く活用できるか」という点も大きいので、管理人の体験をそのままマネできるわけではないでしょう。
それでも、一つの事例として参考にして頂ければ幸いです。
そして、あなたも是非「自分自身で人生を変えるのだ!」と強い意志を持って、輝かしい将来を目指して欲しいと考えています。
ここまで読んで頂きまして、ありがとうございました。
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