目次
- 1 中小企業診断士資格の更新について
- 2 中小企業診断士の更新要件は?
- 3 知識に関する要件(理論ポイントを5点獲得) ~理論研修の受講が主な手段
- 4 実務に関する要件(実務ポイントを30点獲得) ~実務補習または実務従事の実施
- 5 中小企業診断士の更新手続きについて
- 6 【令和7〜8年対応】年度末に満了する人は「早期受付」に要注意(対象者・受付開始日・預り証)
- 7 更新登録申請の送付方法|簡易書留・送付票(ラベル)・チェックリスト
- 8 登録証を紛失した/氏名・住所が変わったときの手続き(再交付・登録事項変更)
- 9 更新が間に合わない! そんな時の対処方法
- 10 中小企業診断士の資格の更新にかかる費用
- 11 中小企業診断士資格の更新について<まとめ>
中小企業診断士資格の更新について
中小企業診断士として活動を続けるには、運転免許証の更新に近いイメージで、定期的に「更新登録」の手続きが必要です。
ただ、これから中小企業診断士を目指す方にとっては、取得後に更新が必要と聞くと不安になりますよね。
更新手続きがあまりに煩雑だったり、費用が大きくかかったりするなら、資格取得をためらってしまう……という方もいるかもしれません。
結論から言うと、中小企業診断士の更新(更新登録)は、必要事項を押さえれば難しく考える必要はありません。
更新が気になって受験をためらっているとすれば、非常にもったいないです。
ここでは、何かと不安のつきまとう中小企業診断士の更新要件について、中小企業診断士歴10年のトシゾーが、分かりやすく解説します。
中小企業診断士の更新要件は?
中小企業診断士の登録の有効期間は「登録の日から5年間」です。
その後も引き続き中小企業診断士として活動する(=登録を継続する)場合は、更新登録の申請が必要になります。
更新期限は、交付される中小企業診断士登録証で確認できます。登録証の裏面最下段にある「登録の有効期間」に、満了日が記載されています。
更新登録のために満たすべき条件は、次の2つです。
- 専門知識補充要件(以下、知識に関する要件)
- 実務要件(以下、実務に関する要件)
それぞれに、いくつかの達成方法(選択肢)が用意されています。ここから詳しく見ていきましょう。
知識に関する要件(理論ポイントを5点獲得) ~理論研修の受講が主な手段
まずは知識に関する更新要件です。中小企業庁の定めは以下の通りです。
専門知識補充要件
以下のいずれかを合計して5回以上の実績を有すること。
- 理論政策更新(理論政策)研修を修了したこと。
- 論文審査に合格したこと。
- 理論政策更新(理論政策)研修講師を務め指導したこと。
引用:中小企業庁Webサイト
こうして見ると難しく感じるかもしれませんが、安心してください。多くの方は次の方法でクリアできます。
「理論研修(理論政策更新研修)」を5年間のうちに5回受講する
理論研修(理論政策更新研修)は、中小企業診断協会などが主催している半日の更新研修です。
上の「2)論文審査」「3)研修講師」による達成方法もありますが、一般的には多くありません。特に登録したばかりの方には現実的ではないケースが多いでしょう。
年1回のペースで理論研修を受講すれば十分間に合います。逆に「5年あるから」と油断して直前に慌てないよう、計画的に受けるのがおすすめです。
実務に関する要件(実務ポイントを30点獲得) ~実務補習または実務従事の実施
次に、実務に関する更新要件です。中小企業庁の定めは以下の通りです。
実務要件
以下のいずれかを合計して30日以上行ったこと。
- 診断助言業務等に従事したこと。
- 実務補習を受講したこと。
- 実習、実務補習を指導したこと。
引用:中小企業庁Webサイト
実務は、5年間で30日以上の実績が必要です(一般に「1日=1ポイント」と説明されることが多いです)。
この要件の満たし方は、ざっくり次の2パターンで分かれます。
A:経営コンサル(診断助言業務等)に従事している中小企業診断士
B:コンサル業務を行わない企業内診断士等
A・経営コンサルタントに従事している中小企業診断士の場合
独立診断士など、実際に診断助言業務を行っている方は、実務要件を満たしやすいです。
基本的には、診断先企業から証明をもらいます。中小企業庁の様式(例:様式第19(診断助言業務実績証明書))に記入し、診断先企業の押印を受けます。
B・コンサル業務を行わない企業内診断士等の場合
企業内診断士などで日常的に診断助言業務を行わない場合は、実務補習/実務従事を計画的に活用するのが現実的です。
実務補習の受講ルートのひとつとして、中小企業診断協会の各都道府県支部への入会があります。入会すると支部活動の中で実務機会(実務補習等)に参加できることがあります。
また、実務従事の支援を行う民間企業も増えており、開催スケジュールが豊富・土日中心など、企業内診断士でも参加しやすいメリットがあります。
実務要件を満たすだけでなく、指導員や他の診断士からフィードバックを得られ、スキルアップにつながるのも大きな利点です。
詳しくは下記も参考にしてください。
中小企業診断士の更新手続きについて
ここからは、更新登録申請の流れ(いつ・何を・どう送付するか)を整理します。
更新時期
更新登録の申請は、原則として登録の有効期間満了日の1か月前~満了日まで行えます。
ただし、申請内容に不備があった場合は、満了日までに修正・再提出が必要になります。余裕をもって手続きを進めましょう。
【令和7〜8年対応】年度末に満了する人は「早期受付」に要注意(対象者・受付開始日・預り証)
年度末(3月末〜4月上旬)は申請が集中しやすく、中小企業庁が“早期受付”を設けて協力をお願いする年があります。該当者は、必ず公式ホームページの案内をご覧ください。
- 早期受付の対象者:登録証の裏面最下段「有効期間」に、特定の期間(例:令和3年4月1日〜令和8年3月31日 等)が記載されている方 など
- 受付開始日:例として、令和7年11月4日から受付開始(※対象者向け)
- 更新登録後の新しい登録証の送付予定:申請時期により、4月末頃/5月末頃などの目安が示される場合があります(簡易書留で送付)
- 預り証(希望者):早期受付の申請で、希望者に「登録証預り証」を交付する運用が示される場合があります
上記は年度により変わります。最新情報は必ず公式で確認してください。
更新登録申請の送付方法|簡易書留・送付票(ラベル)・チェックリスト
「更新 手続き」で検索する方がつまずきやすいのが、書類を揃えた後の“送付(郵送)の実務”です。ここでは最低限のチェック一覧をまとめます。
送付前に確認すること(このページのチェック一覧)
- 更新登録申請書(原本)に、必要事項の記入漏れがないか
- 専門知識補充要件:理論政策更新研修の修了証明書等が5回分以上あるか(原本)
- 実務要件:診断助言業務・窓口相談業務・実務補習などの実績が30日分以上あるか(原本)
- 従前の中小企業診断士登録証(原本)を同封したか
- 登録証を紛失している場合は、再交付申請書(様式)を追加したか
- 氏名・住所など登録事項に変更がある場合は、変更届(様式)も併せて必要か(※状況により)
郵送は「追跡できる方法」がおすすめ(簡易書留など)
更新登録申請は郵送で行います。年度末は受付が混み、差し戻し(不備対応)も起きやすいため、追跡できる簡易書留等で送付しておくと安心です。
送付票(ラベル)も要チェック
中小企業庁は申請書類の送付票(ラベル)を公開しており、更新年月日に応じて差し替わることがあります。最新版を使うと受付側の処理もスムーズです。
中小企業庁:申請・届出の手引き(更新登録申請)
中小企業庁:登録事項変更・登録証再交付(紛失)
※登録証は、更新登録後「申請受理月の翌々月を目途」に自宅宛へ簡易書留で送付される旨が示されています。年度末は送付が遅れる場合もあるため、余裕を持って申請しましょう。
更新に必要な書類
更新に必要となる書類は次の4点です。
- 更新登録申請書
- 理論政策更新研修(または論文審査)の修了証明書(5回分)
- 診断助言業務実績証明書、または窓口業務等の実績証明書(30日分)
- 従前の中小企業診断士登録証(原本)
更新登録申請書
中小企業庁のWebサイトから様式PDFをダウンロードできます。備考に記載の書き方に従って記入しましょう。
理論政策更新研修(または論文審査)の修了証明書(5回分)
理論政策更新研修を修了した際に交付される証明書です。紛失しないよう、必ず保管しておきましょう。
診断助言業務実績証明書または窓口業務実績証明書(30日分)
次のいずれかのケースでは、実施機関から証明書が発行されることが多いです。
- 実務ポイントの獲得をサポートする組織の管理のもと、診断実務を実施したケース
- 公的機関等で窓口相談業務を行った場合
一方で、ご自身で診断先を見つけて診断助言業務を行った場合は、中小企業庁のWebサイトから「診断助言業務実績証明書」の様式PDFをダウンロードして記入します。
この書類には「診断先企業の名称」および「代表者の押印」が必要です。原則として、診断先企業1社につき1枚を提出します。
中小企業診断士登録証
中小企業診断士登録証の原本を同封します。
登録証を紛失した/氏名・住所が変わったときの手続き(再交付・登録事項変更)
更新時期が近いタイミングで、登録証の紛失や、氏名・自宅住所・勤務先など登録事項の変更が発生することがあります。
- 登録証を汚損・破損・紛失:登録証再交付申請(様式)を提出
- 住所・勤務先の変更:登録事項変更届(様式)を遅滞なく送付
- 氏名変更:変更届+戸籍抄本等+登録証(原本)。更新時期が近い場合は、更新登録とあわせて手続きが必要になることがあります
詳細な必要書類や送付票(ラベル)は、必ず公式で確認してください。
更新が間に合わない! そんな時の対処方法
更新登録は、登録の有効期間(5年)の満了日までに行う必要があります。
知識・実務の要件を満たさないまま満了日を迎えると、原則として登録は消除となり、以後「中小企業診断士」を名乗って活動できなくなります。
ただし状況により、次の選択肢があります。
要件は満たしていたのに「申請だけ」失念した場合:再登録(1年以内)の可能性
更新要件(理論5回以上+実務30日以上)を期限内に満たしていたにもかかわらず、申請を忘れてしまったケースでは、消除された日から1年を超えない範囲で「再登録申請」ができる旨が公式の手引きに示されています。
該当しそうな方は、必ず公式ページで必要書類・条件を確認してください。
要件を満たせない見込みなら「休止」を早期に検討
有効期間の末(年度末など)になっても要件が足りない場合、そこから研修や実務を積み増しても、原則として“過去5年”の実績が問われます。
この場合は、状況に応じて「休止」など別の選択肢を早期に検討するのが現実的です(※休止には申請タイミング等の条件があります)。
資格の休止制度や休止手続きについて詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
中小企業診断士の資格の更新にかかる費用
まず、5年に1回の更新登録申請(手続きそのもの)にかかる費用は無料です。
ただし、更新には「知識に関する要件」と「実務に関する要件」を満たす必要があり、その達成のために費用が発生します。
知識に関する要件(知識ポイント獲得のための費用)
知識の補充要件は、多くの中小企業診断士が「理論政策更新研修(理論研修)」を5回受講することで満たしています。
理論研修は、中小企業診断協会のほか民間でも実施している機関があり、1回あたり6,000円程度が目安です。
5年間で5回必要なので、1回の更新あたり約3万円程度と見込むとよいでしょう。
実務に関する要件(実務ポイント獲得のための費用)
顧問先など、自分で実務従事先を見つけられる独立診断士であれば、追加費用はかからないケースが多いです。
一方で、企業内診断士などで実務機会が作りにくい場合は、中小企業診断協会などが実施する実務補習・実務従事支援サービスを利用することが一般的です。
実務は30日分必要です。サービスの相場は内容により幅がありますが、目安として合計約25~30万円程度を見込んでください。
中小企業診断士の資格更新費用(資格維持費用)について詳しくは、下記の記事も参考にしてください。
中小企業診断士資格の更新について<まとめ>
中小企業診断士の更新登録手続きについて解説してきました。
5年に1度、更新登録申請が必要なので煩わしく感じるのも事実です。
ただ別の視点で見ると、更新制度があることは「国が一定水準の専門性・実務性を担保し続ける仕組み」とも言えます。
| 著者情報 | |
| 氏名 | 西俊明 |
| 保有資格 | 中小企業診断士 |
| 所属 | 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション |
