こんにちは、トシゾーです。
今回の記事は「中小企業診断士の実務補習」について、になります。
中小企業診断士の二次試験合格者の大半が、資格登録を行うために受講する研修(実習)であり、概要は
- 二次試験合格者がグループとなり、特定の中小企業の経営診断をして報告書を提出する
といったものですね。
この記事を読まれている方は、上記のような概要はご存じでも、細かい内容までは押さえていない方がほとんどではないでしょうか?
そこで、この記事では実務補習の内容詳細やスケジュール、費用などについて詳しくお伝えします。
実務補習の具体的なイメージが掴めるようになりますので、ぜひチェックしてみてください。
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目次
実務補習の位置づけ
中小企業診断士になるには、二次試験(筆記、口述)に合格後、診断実務に従事(実務従事)するか、実務補習を修了することが必要です。
診断実務(実務従事)と実務補習、どちらもザックリ言えば、「中小企業相手に経営診断すること」なのですが、両者には以下のような違いがあります。
- 診断実務(実務従事):二次試験合格者自らが診断先の中小企業を見つけて来て、経営診断を行う
- 実務補習:二次試験合格者が数名のグループを作り、紹介された中小企業の経営診断を行う。中小企業診断協会などが主催している
※実務補習と診断実務(実務従事)いずれの場合でも、3年以内に15日以上行うことが中小企業診断士登録の条件です。
実際には、上記のうち、実務補習を選択する二次試験合格者が大半です。理由は単純で、「多くの二次試験合格者は、経営診断をさせてくれるような中小企業の知り合いがいないから」。
以上のようなことから、「二次試験合格後、実務補習を受講する」ことが、中小企業診断士になる主要なルートのように取られているいいわけです。
※実務従事について、詳しくは下記の記事を参考にしてください。
中小企業診断士登録養成課程を受講すれば、実務補習は免除となる
※ちなみに、中小企業診断士一次試験に合格後、二次試験も実務補習もパスして中小企業診断士になる方法が「養成課程」です。
養成課程は、半年~2年間も養成課程実施機関に通い、規定のコースを充たす必要があります。費用も約200万円~かかりますし、日程含めて、なかなか働きながら通うにはハードルが高いルートと言えます。
中小企業診断士の養成課程について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
実務補習の意義・目的
結論から言えば、実務補習の意義や目的は以下のとおりです。
- 中小企業診断士(経営コンサルタント)として、机上ではなく、実践的な経営コンサルティング能力を担保すること
なぜ、実務補習のような「実践的な経営コンサルティング能力を担保」することが必要かと言えば、中小企業診断士の1次試験および2次試験で求められる能力を考えれば分かります。
- 一次試験で求められる能力:中小企業の経営コンサルティングを行う上で必要となる様々な知識
- 二次試験で求められる能力:文章(与件文)の事例を読み、経営コンサルティングの案を記述する(紙上コンサルティング)
ということで、「経営に関する知識」と「紙上コンサルティング(疑似コンサルティング)能力」については、二次試験まで合格した者には備わっていますが、それだけでは現実の経営コンサルティングができる保証はありませんよね。
中小企業診断士は国(正確には経済産業省)が資格を登録するわけですから、現実の経営コンサルティング能力を間違いなく担保しなければなりません。
そのため、実務補習が必要とされているのです。
実務補習の詳細
実務補習のグループ構成
実務補習には、以下のような構成でグループが作られることが一般的です。
- 指導員(中小企業診断士):1名
- 第2次試験合格者:5~6名
なお、グループによっては副指導員がつくこともあります。副指導員は、将来の指導員候補のケースが多いようです。
実務補習の日程
実務補習には15日間のコースと5日間のコースがあります。
15日間のコースといっても、5日間のコースを3回繰り返すものであり、基本的な日程のイメージは
- 1つの企業を5日間かけて経営診断する
というものです。
実務補習の実施時期・場所は?
実施地区、場所は以下のとおりです。
- 実施時期:15日コースは毎年2月、5日コースは毎年2月、7月、8月、9月
- 実施地区:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡
なお、上記はあくまで予定ですので、実際に受講を検討される場合は、中小企業診断協会など主催者に確認してください。
申し込み手続き
これまで実務補習の受講をされたことが無い方(初回参加の方)は、申込みの際に、ユーザー登録が必要になります。
また、ユーザー登録の際にメールアドレスの登録が必要ですが、このメールアドレスは勤務先や携帯電話のものは不可となっています。
実務補習期間中に、担当の指導員やグループメンバーでの連絡、各種資料のやり取りなどに使う大事な連絡先ですから、申込時には、個人で適切に管理しているメールアドレスを登録してください。
実務補習の費用
15日コースで約15万円と、それなりの費用がかかります(指導員の謝金も含まれますから、仕方ないかも知れません)
5日間の実施スケジュール(実施の流れ)
最初に断っておくと、5日コースと言っても、5日間連続の日程ではありません。
原則は、1日~2日目が連続、3日目~5日目が連続となっています。
2日目と3日は1週間ほど期間が空けられており、その間に各自が自分の担当する資料を作成する、という流れになります。
良くあるケースとしては、
1日目:金曜
2日目:土曜
<作業期間>
3日目:翌週の土曜
4日目:日曜
5日目:月曜
というパターンです。これは良く考えられており、企業に訪問する初日と最終日だけ平日、残りは週末(土日)ということで、一般のビジネスマンが多い実務補習のメンバーが参加しやすいように配慮されています。
それでは、個別に日程を見ていきましょう。
1日目
初日は、実施地区ごとに集まり、まず、グループ分けと担当指導員の紹介があります。
その後、担当指導員から診断先の中小企業の概要・今後の進め方などの説明を受けた後、さっそく診断先の中小企業を訪問してヒアリングや調査を実施。必要に応じて各種資料をお借りします。
ちなみに、診断先は担当指導員の関係先(顧問先等)が多いようです。
2日目
最終アウトプットである診断報告書の方向性をグループで議論。その後、報告書の担当割などを決定します。
※グループによっては、2日目に企業訪問をする場合もあるようです。私の所属したグループの場合、公的な資料を入手するため、図書館や行政の資料センターへ行くこともありました。
3日目~4日目
3日目~4日目は、ひたすら持ち寄った報告書に関してディスカッションと修正の繰り返し。グループによっては、夜遅くまでかかるところも多いです。
5日目
診断先企業に再訪し、診断報告書を渡して先方に説明。無事終われば、主催者から修了書が貰えます。
管理人が実際に実務補習を受講した際のコメント(感想)
管理人が実務補習を受けたのは、もう10年以上も前であり、一部、記憶が曖昧な部分もありますが・・・。
管理人は、二次試験合格後すぐの2月の15日コースに申し込みました。当時はサラリーマンでしたが、会社辞める気マンマンでしたね(笑)
担当の指導員は非常に温厚な方でしたし、他のグループメンバーも精神的に大人の方が多かった気がします。
よって、最初から最後まで、よい雰囲気で実務補習に取り組めました。
他のグループでは「議論が紛糾して喧嘩腰になったメンバーがいた」とか「指導員が厳しい」などの話も聞いたりしたので、私のグループは恵まれていた方でしょう(指導員が厳しいのは、悪いことではないかも知れませんが)。
また、診断先の企業3社とも、よくグループメンバーの話を聞いてくれる良い経営者さんでした(普段から、指導員が良好な関係を構築している証でしょうか)。
一番の思い出は、中華料理店の報告会を無事に終えた後、お店で名物の餃子とビールを頂いたこと。あの美味しさは、今でも忘れられません!
民間の実務補習実施機関について
インターネットで検索すると、実務従事や実務補習の代替サービスを提供している会社が何社か見つかります。
ただし、中小企業庁に「登録実務補習期間」として登録されているのは、中小企業診断協会以外に一社のみです。
ただ、その一社の公式サイトをチェックしたところ、現在は実務補習サービスを提供していないように見受けられました。
結局、実務補習については、診断協会のものを受講されるのが一番良い気がします。
中小企業診断協会について
実務補習を主催しているのは中小企業診断協会であり、指導員は全員、協会の会員でしょう(おそらく)。
そのため、実務補習の期間、時々「診断協会に入らないの?」と声を掛けられることがあります。
実は、他の士業の場合と異なり、中小企業診断士になっても、中小企業診断協会に入会する義務はありません。
入会は完全任意であり、メリット・デメリットを整理すると
<メリット>
- 多くの中小企業診断士とネットワークが構築できる
- 資格更新の研修や手続き等について、サポートが受けられる
<デメリット>
- 入会金5万円+年会費5万円の費用がかかる(金額は東京都の場合)
正直、悩む方も多いと思いますが、個人的には「中小企業診断士として活動するなら、最初だけでも入って活動した方が良い」という意見です。
中小企業診断協会について詳しくは、下記の記事を参考にしてください。
著者情報 | |
氏名 | 西俊明 |
保有資格 | 中小企業診断士 |
所属 | 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション |