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中小企業診断士とは?
中小企業診断士の仕事内容を簡潔に説明すると、中小企業の経営相談に乗って問題点や課題点を分析して解決するサポートです。
中小企業診断士は企業にとってお医者さんのようになくてはならない存在だと言えるでしょう。
代表的な補助金
補助金とは、国および自治体が、それぞれの政策に従い、原則として返済が要らない資金を事業者に支給(給付)する制度です。
もちろん、補助金は誰でも申請すればもらえるわけではなく、一定の条件や審査に通らないといけません。
まず最初に代表的な補助金をいくつか挙げていきます。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」という正式名称の中小企業向けの補助金です。
経営革新を実現するために、必要な設備投資や生産性向上を目的とした費用を対象としています。
ものづくり補助金の補助上限額は下記のように最大1億円です。
ものづくり補助金の補助上限額 | |
---|---|
一般型: | 一千万円 |
グローバル展開型: | 三千万円 |
ビジネスモデル構築型: | 1億円 |
審査の目的(革新的な開発、生産性向上など)に沿っていると審査で判断されると、ものづくり補助金の給付を受けられます。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は2020年からの新型感染症拡大に対処するため、事業モデル(形態)を転換したり、感染の防止策に取り組んだりする中小企業に給付する補助金です。
新型感染症による影響の長期化により、売り上げの回復がしづらい中小企業が増えました。
その中小企業等の事業再構築を支援するために事業再構築補助金では1社当たり100万円~1億円の給付を予定しています。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、2021年の4月現在で募集中の補助金です。
事業計画書や創業計画書を作成して申し込むと、最大で50万円の補助金の給付を受けられます。
小規模事業者持続化補助金に申し込める主な条件は、「すでに創業している」「従業員が少数である」「商工会議所、あるいは商工会から支援を受ける」の3つです。
IT導入補助金
IT導入補助金とは、全国の中小企業者や小規模事業者における業務の効率化、ならびに売上拡大を支援するための補助金です。
各企業の経営課題をはじめ、業務上の必要に応じ、情報システム等のITツールの導入を図るための経費の一部を補助するものです。
補助金の申請代行に対する中小企業診断士の強み
補助金の申請代行業務は、中小企業診断士が得意とする分野の一つになっています。
以下では、補助金の申請代行に対する中小企業診断士の強みをいくつか挙げてみました。
事業計画書の作成が得意
中小企業診断士に補助金の申請を代行した方が良いのは、事業計画書の作成が得意な専門家なのが理由ですね。
ほとんどの補助金の申請において、申請書等と合わせ、事業計画書の添付が必須です。
事業計画書の内容を精査され、それが採択結果を左右しますので、精度の高い書類を策定する能力に長けた中小企業診断士の出番です。
中小企業診断士は起業・創業サポートを行ったり、一般企業の経営指導を行ううえで、事業計画書の作成について経験が豊富です。そのため、補助金申請の支援・代行を依頼先としては申し分ありません。
中小企業向けの制度・施策に明るい
中小企業診断士は、持続化給付金ならびに雇用調整助成金など、補助金および助成金の内容に精通した専門家です。
中小企業向けの制度・施策に明るいのは、補助金の申請代行に対する中小企業診断士の大きな強み!
中小企業それぞれの実情を踏まえて、補助金申請の手続きをサポートしてくれます。
補助金の申請代行をしたい中小企業診断士に求められるスキル
中小企業診断士は補助金申請代行専門業ではありません。
しかし、補助金の申請代行をしたい中小企業診断士には次のスキルが求められます。
補助金の採択のポイントを押さえる
補助金における採択とは、事務局が助成金の交付を受ける事業者を選ぶことを指します。
補助金の給付を受けられるのかどうかの大事な部分ですので、採択のポイントを押さえるのは中小企業診断士に求められるスキルです。
単に立派な事業計画書を作成できるだけでは、正直意味がありません。補助金の交付という結果が全てなので、補助金の採択を確実にたぐり寄せられる中小企業診断士が必要とされていますよ。
最新の政策の動向を常にフォローする
補助金の制度内容は毎年細かく変わりますので、最新の政策の動向を常にフォローするのは中小企業診断士にとって欠かせません。
補助金制度は全国で毎年約3,000件以上もの公募がありますので、中小企業の事業主が自分で探すのは大変です。
もし最新の制度内容に対応できる中小企業診断士であれば、企業の実情を踏まえて補助金申請のサポートができます。
将来的には補助金ビジネスをおすすめしない理由
中小企業診断士にも色々なタイプの方がいるため、「補助金や助成金申請に関する代行業務はやっていない」という方が少なくありません。
ここでは、中小企業診断士が将来的に補助金ビジネスをやらない方が良い理由を解説していきます。
理由1:将来に渡って補助金が潤沢に交付されるとは限らない
補助金は将来に渡って潤沢に交付されるとは限りません。
補助金は採択されたらOKではなく、採択後にも様々な手続きが必要です。
更に補助金自体の数が減る恐れもありますので、補助金申請をメインで行う中小企業診断士は食えなくなる恐れがあります。
理由2:できるかぎり補助金には限らない形で中小企業を支援すべき
中小企業の課題解決のための支援策は、「資金繰り」や「雇用維持・人材育成」などたくさんあります。
補助金が将来的に潤沢に交付されないケースを考えると、中小企業診断士はできる限り補助金に限らない形で中小企業を支援すべきですね。
中小企業診断士は、補助金サポートとは違うビジネスモデルを考えないといけません。
理由3:中小企業診断士自身の営業力を磨いて経営コンサルティングを受注できるのが望ましい
中小企業診断士は補助金申請代行ではなく、営業力を磨いて経営コンサルティングを受注できる状況が望ましいとされています。
中小企業診断士が営業を行うに当たり、受注ルートは次の3つです。
中小企業診断士の受注ルート | |
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直接受注 | クライアントから直接的に仕事の問い合わせ |
紹介 | 従来の顧客などから、新しいお客様の紹介をうけること |
リピート | 何度も同じ企業から相談や依頼を受けること |
独立開業した中小企業診断士は、営業力を磨いて経営コンサルティングを受注できるように努力しましょう。
補助金ビジネスの注意点
中小企業診断士の資格を持つ方全てが補助金のスペシャリストではありません。
中小企業診断士のバックグラウンドは、「経営コンサルティング会社出身者」「企業内で働いていた方」「システム会社出身者」など様々!
最低限の知識や実務を習得しているとは言え、人によって得意分野が異なるのは補助金ビジネスの注意点です。
今までの経験によっては、補助金ビジネスで中小企業診断士の強みを活かせない恐れがあります。
厚労省の助成金申請の代行については、社労士の独占業務
中小企業診断士の資格を持っていても、補助金関連の全ての業務と携わることはできません。
例えば、厚生労働省の助成金について、申請代行が可能なのは、社労士だけと定められています(社労士にしかできない独占業務)。
社労士以外の他の有資格者は、当然ながら厚労省系の助成金申請を代行してはなりません(法律違反です)。
もちろん、中小企業診断士も社会保険労務士の独占業務を行えないので注意してください。
まとめ
補助金とは一体何なのか、中小企業診断士の補助金申請代行の仕事が儲かるのかまとめました。
依頼者側の立場に立ってみると、
- 「精度の高い事業計画書を作成できる」
- 「採択のポイントを押さえられる」
- 「最新の制度内容に対応できる」
といった理由で中小企業診断士に補助金申請の代行を依頼するのが適しています。
しかし、将来に渡って補助金が潤沢に交付されるとは限らないため、中小企業診断士は経営コンサルティングを受注する努力をするべきではないでしょうか。