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経営戦略論

競争戦略(競争優位の戦略)~規模の経済性・経験曲線効果・タイムベース競争など

競争戦略(競争優位の戦略)

こんにちは、トシゾーです。

前回は、「競争優位の戦略」について学習しましたが、今回は、その競争優位の戦略に関わる、その他の用語について学習します。

今回学ぶのは、以下の用語です。

規模の経済
経験曲線効果
タイムベース競争戦略
デファクト・スタンダード
コア・コンピタンス

それでは、説明していきましょう。

規模の経済性

規模の経済性とは、生産量の拡大により、生産単位当たりのコストが下がることを言います。大量生産することにより、生産単位あたりの固定費が小さくなることや、原材料の大量調達により単位あたりの原材料費が下がり、低コストに繋がります。

経験曲線効果

経験曲線効果はエクスペリメントカーブとも呼ばれ、ある製品の生産を始めてから、累積生産量の増加に伴って単位あたりの総コストが低くなっていくことです。

生産量が多くなるほど、生産者は習熟し、効率アップします。

特に、シェアの高い製品は、より多く生産するため、経験曲線効果も短期間に大きくなります。

規模の経済性と経験曲線効果の違い

「規模の経済性」は、生産量拡大による効率に注目したものであり、経験曲線効果は、長期間生産を続けることにより、習熟して効率が上がることに着目したものです。

「習熟」という観点の有無がポイントとなります。

タイムベース戦略

タイムベース戦略とは、

企業活動におけるスピード(時間)を短縮し、競争優位を獲得する戦略

のことです。

速度をアップすることで獲得できる経済的効果を速度の経済性と言います。

速度の経済性には、次のようなメリットがあります。

コスト削減効果

まず、コスト削減効果です。製品を生産する際、リードタイムを短縮することにより、在庫費用の圧縮・売れ残りロス削減などを実演できます。

先行者優位

つづいて、先行者優位です。他社より少しでも早く製品を市場投入することで、つぎのようなメリットがあります。

ブランド浸透

どの他社よりも自社製品を早期投入できれば、少なくとも、他社の市場投入まで、「自社ブランド」の市場独占につながります。

つまり、自社ブランドが消費者へ浸透することになります。

経験曲線効果

前述した経験曲線効果による「習熟」ですが、当然ながら、速く経験を積めば積むほど、習熟度合いも高まります。

イノベーター対応

他社よりも新しい製品を早く市場投入できれば、革新的な製品を求めるイノベーター層の需要を取り込むことができます。

他社に対するスイッチングコストの発生

いったん、自社の製品を使ったユーザーは、他社製品に切り替えるとなると、

「使い方を、また一から覚えなおす必要がある」

などの、時間コスト・学習コストが発生します。

このようなコストをスイッチングコストといい、ユーザーは代替商品への切り替えを嫌がる理由の1つとなっています。

先行者における不利な点

先行者には有利な点が多いですが、実は、不利な点もあります。

新規市場開拓には、大きなコストが発生する場合がある。
新規市場の需要予測は難しい場合があり、リスクが高い

これらの見方を変えると、それは、後発者優位な点といえます。

後発者はデメリットの方が相対的に多いですが、上記のような点から、「先行者が開いた市場にリスクが少なく参入できる」「技術がこなれてきてから、安価に最新設備を導入できる」などのメリットもあります。

デファクト・スタンダード

デファクトスタンダードとは

事実上の業界標準のこと

です。

ある製品の規格が、業界標準団体や公的な機関(ISO等)で合意されたものではなく、特定の企業の開発した製品の規約が、そのまま事実上の業界標準になったもののことです。

デファクトスタンダードには、以下のような例があります。

パソコンOSにおけるWindows
家庭用VTRにおけるVHS

コア・コンピタンス

コア・コンピタンスとは

持続可能な競争優位性を生み出す企業の中核能力

のことです。

コア・コンピタンスと言えるためには、長期的に、企業が競争優位を確保できなければなりません。そのため、

他社からの模倣が困難であり、製品が顧客に大きな価値を提供し様々な市場へ展開する可能性を持つ、

などの性質が必要とされます。

著者情報
氏名 西俊明
保有資格 中小企業診断士
所属 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション