中小企業診断士 一次試験の免除(科目免除)|対象資格・科目合格・Web申請手続きを完全整理【最新版】

中小企業診断士の科目免除

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こんにちは、トシゾーです。

中小企業診断士の「免除」を調べている方の多くは、「自分は免除を使えるのか?」「そもそも免除は使った方が得なのか?」で迷っているはずです。

結論から言うと、中小企業診断士1次試験の免除は、大きく次の2種類に分かれます。

  • ①他資格保有による科目免除……公認会計士・税理士・弁護士・情報処理技術者試験の合格者などが、対応する科目の受験を免除される
  • ②科目合格による科目免除……1次試験で合格基準(おおむね60点)を満たした科目を、翌年度から2年間受験免除にできる

そしてもう一つ大事なのが、免除は「使えるか」だけでなく「使うべきか」で判断するという視点です。実は、得意科目をあえて免除しない方が有利になるケースもあります。

この記事では、免除の対象資格・有効期間・申請方法を整理したうえで、「免除を使うべき人/あえて使わない方がよい人」まで、受験計画に使える形で解説します。

なお、中小企業診断士は名称独占資格(業務独占資格ではない)です。資格がなくても経営コンサルティング自体は可能で、「診断士でなければできない独占業務」があるわけではありません。

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目次

中小企業診断士の科目免除とは?|2つの免除制度を整理

最初に、免除制度の全体像をつかんでおきましょう。中小企業診断士1次試験の科目免除は、次の2つのルートに分かれます。

  • ①他資格保有による科目免除……特定の国家資格などを持っていると、対応する1次科目の受験が免除される
  • ②科目合格による科目免除……1次試験で合格基準を満たした科目を、翌年度から2年間免除にできる

それぞれ、ざっくり次のイメージです。

①持っている資格で受験が免除されるパターン

会計・法律・情報処理などの専門資格を持っている人が対象です。たとえば、公認会計士・税理士なら「財務・会計」、弁護士なら「経営法務」、情報処理技術者試験の合格者なら「経営情報システム」が免除になります(対象は年度の受験案内で変わることがあるため、最新は公式でご確認ください)。

②得点した科目を翌年に持ち越すパターン

1次試験は7科目ありますが、すべてを1年で受かる必要はありません。合格基準(おおむね満点の60%)を満たした科目は「科目合格」となり、翌年度から2年間、その科目の受験を免除できます。

この2つは仕組みも申請方法も違うので、この記事ではそれぞれ章を分けて解説していきます。

①他資格保有による科目免除|対象資格と免除科目の一覧表

まずは「他資格保有による科目免除」から見ていきます。該当する資格を持っていれば、対応する科目の受験を丸ごと省略できるので、効率化の効果は大きい免除です。

代表的な対象資格と、免除される科目を表で整理しました。

 
保有している資格 免除される科目 補足
公認会計士・税理士 など 財務・会計 会計系の有資格者が対象
弁護士・司法試験合格者 など 経営法務 法律系の有資格者が対象
情報処理技術者試験の合格者 経営情報システム 対象区分に注意(後述)
不動産鑑定士・経済系の専門資格 など 経済学・経済政策 対象は受験案内で要確認
引用元・最新の対象資格は、中小企業診断協会(J-SMECA)公式サイトの受験案内でご確認ください。

情報処理技術者試験は「どの区分が対象か」に注意

情報処理技術者試験は人気の免除ルートですが、「合格していればどの試験区分でも免除になる」わけではありません。 対象は応用情報技術者試験や高度区分などが中心で、ITパスポートが対象に含まれるかは年度の受験案内で必ず確認してください。

「ITパスポートを持っているから経営情報システムは免除されるはず」と思い込んで申請すると、書類不備につながることがあります。自分の区分が対象かどうかを、申込前に公式でチェックしましょう。

申請には合格証書などの証明書類を願書に添付

他資格保有による免除を使う場合は、合格証書や登録証明書などの写しを、1次試験の願書(申込)に添付するのが基本です。必要書類は資格ごとに異なるため、これも公式の受験案内で確認してください。

②科目合格による科目免除|有効期間は「翌年度から2年」

資格を持っていない人でも使えるのが、「科目合格による科目免除」です。1次試験を複数年で攻略したい方にとって、戦略の軸になります。

仕組み:60点以上の科目は「科目合格」になる

1次試験は科目ごとに採点され、合格基準(おおむね満点の60%)を満たした科目は「科目合格」として扱われます。そして科目合格した科目は、翌年度から2年間、申請すれば受験を免除できます。

有効期間は「翌年度から2年」|1次合格の有効期間とは別物

ここで混同しやすいのが、「科目合格の免除期間」と「1次試験合格の有効期間」は別の話だということです。

  • 科目合格による免除……合格した科目を、翌年度から2年間免除できる
  • 1次試験(全科目)合格の有効期間……1次に合格すると、その年と翌年の2回、2次試験を受験できる

具体例で見てみましょう。

  • 令和8年度(2026年度)に科目合格……令和9年度・令和10年度の1次試験で、その科目の免除を申請できる
  • 令和9年度(2027年度)に科目合格……令和10年度・令和11年度の1次試験で免除を申請できる

つまり、ある年に科目合格した科目は「翌年・翌々年」の受験で免除を使える、というイメージです。「いつ取った科目が、いつまで免除に使えるか」を、申込前にカレンダーで確認しておくと安心です。

多年度戦略:得意科目を先に確保する

科目合格制度をうまく使うと、1年で全科目を仕上げなくても合格を狙えます。

  1. 1年目……得意科目・短期で仕上がる科目で科目合格を確保する
  2. 2年目以降……残った科目に学習時間を集中させる

働きながら受験する社会人にとっては、この多年度戦略が現実的な選択肢になります。

免除のメリット・デメリット|「あえて免除しない」戦略とは

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいポイントです。免除は便利な制度ですが、「使えば必ず得」とは限りません。

メリット:受験科目を減らし、得意分野に集中できる

免除の最大のメリットは、シンプルに学習負担が減ることです。

  • 受験する科目数が減り、勉強時間を他科目に再配分できる
  • 苦手科目を免除できれば、その科目で大きく失点するリスク(足切り)を避けられる

デメリット:免除科目は「得点を稼げない」

見落としがちなのがデメリットです。1次試験は「受験した科目の合計点」で合否を判定する総点方式で、合格には受験科目だけで総得点の60%以上が必要になります。

ここで重要なのが、免除した科目は満点にも得点計算にも含まれないという点です。

具体的な数字で見てみましょう。1次試験の合格は、原則として「受験した科目の総得点が60%以上」かつ「各科目40点未満がない」ことが目安です(最新の合格基準は公式でご確認ください)。

  • 7科目すべて受験……700点満点中、420点以上が目安
  • 2科目免除して5科目受験……500点満点中、300点以上を受験した5科目だけで取る必要がある

つまり、得意科目で本来なら80点が取れる人がその科目を免除すると、「80点という貯金」を総点づくりに使えなくなります。 結果として、残りの科目で平均的に高い点を取らなければならず、かえって不利になることがあるのです。

「あえて免除しない」を選ぶ判断基準

そこで出てくるのが、「得意科目はあえて免除しない」という戦略です。判断軸を整理すると、こうなります。

  • 免除した方がよい科目……苦手で60点を超えるのが難しい科目(免除で足切りリスクを回避)
  • あえて受験した方がよい科目……得意で60点を大きく超えられる科目(総点の底上げに使える)

つまり、免除は「使えるか」だけで決めず、「その科目を免除して、総点での合格戦略に有利か」で判断するのが正解です。一律に「免除=得」と考えないようにしましょう。

免除の申請方法|願書での手続きと必要書類

免除を使うと決めたら、次は申請です。ポイントは「1次試験の申込(願書提出)のタイミングで申請する」こと。原則として、後から遡って免除を申請することはできません。

他資格保有による免除の申請

  • 対象資格の合格証書・登録証明書などの写しを、願書に添付する
  • 必要書類は資格ごとに異なる(証明書類の様式・有効性は公式の受験案内で確認)

科目合格による免除の申請

  • 願書に、科目合格通知に記載された情報(受験番号・合格年度など)を記載する
  • 「どの年度に、どの科目を科目合格したか」を手元の通知で確認しておく

Web申請・締切は年度ごとに必ず確認

近年は申込のWeb化が進んでいます。ただし、申込方法・必要書類・締切は年度ごとに変わる可能性があります。免除の申請を含めて、申込前に中小企業診断協会(J-SMECA)公式の受験案内で必ず確認してください。

免除に関するよくある質問(Q&A)

最後に、免除でよく寄せられる疑問をまとめました。

Q1. ITパスポートで免除されますか? 情報処理技術者試験は経営情報システムの免除対象ですが、「どの区分が対象か」に注意が必要です。対象は応用情報技術者試験や高度区分などが中心で、ITパスポートが含まれるかは年度の受験案内で確認してください。

Q2. 免除しないとどうなりますか? 全科目を受験することになります。ただし前述のとおり、得意科目で60点を大きく超えられるなら、あえて受験した方が総点で有利になることもあります。 「免除しない」ことが不利とは限りません。

Q3. 簿記1級・2級で免除されますか? 簿記検定は、科目免除の対象資格ではありません。 財務・会計の学習に役立つことと、制度上の免除対象であることは別の話です。最新の対象資格は公式でご確認ください。

Q4. 大学院(養成課程)で免除されると聞きました。 これは1次の科目免除とは別の制度です。中小企業診断士の養成課程は、2次試験と実務補習に代わるルートとして位置づけられています。1次試験に合格した後、登録養成機関(大学院など)の養成課程を修了すると、2次試験を受けずに登録を目指せます。1次試験の科目免除とは仕組みが異なる点に注意してください。

免除制度と合わせて知っておきたい|試験全体と学習の進め方

免除は「総点での合格戦略」の中で考えるものなので、試験全体の仕組みも軽く押さえておきましょう。

1次試験は7科目・マークシート方式

1次試験は、経済学・経済政策/財務・会計/企業経営理論/運営管理/経営法務/経営情報システム/中小企業経営・中小企業政策7科目で、マークシート方式です。前述の科目合格制度があるため、免除はこの「総点での合格」をどう組み立てるかという話になります。

2次試験は筆記4事例のみ(令和8年度から口述試験は廃止)

2次試験は、事例I〜IVの筆記4事例のみです。令和8年度(2026年度)から、第2次試験の口述試験は廃止され、筆記4事例で合否が判定される形になりました。免除制度は1次試験が中心なので、2次は「筆記4事例のみ」という現行の形を押さえておけば十分です。

一点だけ注意しておきたいのは、1次で免除した科目でも、2次試験では関連知識が必要になることがある点です。特に「財務・会計」は2次の事例IVに直結するため、免除しても学習をゼロにするのは避けたいところです。

なお、1次・2次の合格率は、1次がおおむね20〜40%、2次がおおむね18〜19%、ストレート合格は4〜7%程度とされますが、いずれも年によって変動します。最新の数字は各年の公式発表でご確認ください。

免除を踏まえた学習の進め方

免除で科目を絞ったら、残った科目に学習時間を集中させましょう。具体的な学習の進め方は、次の記事が参考になります。

まとめ|免除は「使えるか」だけでなく「使うべきか」で判断する

中小企業診断士の科目免除について、要点を整理します。

  • 免除は①他資格保有による免除②科目合格による免除の2種類
  • 科目合格による免除の有効期間は翌年度から2年間(1次合格の有効期間とは別物)
  • 免除の申請は、1次試験の申込(願書提出)のタイミングで行う
  • 免除科目は得点を稼げないため、得意科目はあえて受験した方が総点で有利なこともある

いちばん大事なのは、「使えるか」だけでなく「その科目を免除して、総点での合格戦略に有利か」で判断することです。免除は手段であって、目的は「総点で合格すること」だと忘れないようにしましょう。

次の一歩につながる記事もまとめておきます。

免除をうまく使えば、限られた時間でも合格はぐっと近づきます。自分の得意・不得意と相談しながら、戦略的に活用してください。

※本記事の制度・年度・料金・免除等の情報は、各公式サイト・公的機関の一次情報で確認しています(確認日:2026年6月30日)。最新は 中小企業診断協会(J-SMECA) 等でご確認ください。

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この記事を書いた人

西俊明(トシゾー)のアバター 西俊明(トシゾー) 中小企業診断士/AI実践戦略士/IT講師・著者

中小企業診断士/AI実践戦略士(商標出願中)/IT講師・著者。富士通で17年間、IT製品の営業・マーケティングに従事した後、独立。中小企業を中心に270社超を支援し、研修・セミナーへの登壇は250回を超える。現在は、生成AI・ITを経営や業務に生かす実践的な方法と、ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、基本情報技術者試験などの学習法・過去問解説を発信している。著書に『改訂7版 ITパスポート最速合格術』など。

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