こんにちは、トシゾーです。
今回の記事は、「マーケティングの定義・基礎」の記事の続編となります。前回の記事では、マーケティングの定義について、様々なものを紹介しています。
コトラーやドラッガーといった、マーケティングの第一人者の定義も説明していますので、前回記事を読んでいない方は、まずは、そちらからどうぞ!
目次
マーケティングコンセプトとは?
そもそも、マーケティングコンセプトとは何でしょうか?
マーケティングコンセプトとは、マーケティングの基本的な考え方や、市場に対する企業の姿勢・スタンスのことです。
マーケティングコンセプトは、時代と共に変遷してきました。
①生産志向のマーケティング
生産志向のマーケティングとは、一番古いマーケティングコンセプトです。これは、需要が供給を上回っていた時代、つまり「作れば作るだけ、モノが売れいった」時代におけるマーケティングの考え方です。
このような時代背景ですと、企業の経営者のスタンスは「いかに大量に、効率よく製品を作るか」ということに目が行きがちになります。
②製品志向のマーケティング
製品志向のマーケティングとは、製品の性能や品質を作り込んでいこう、というコンセプトです。
性能や品質の高い製品は素晴らしいですが、必要以上にそれらを追求し、消費者ニーズの動向や変化を察知しないのでは本末転倒です。消費者ニーズがないのに良いものを作っても意味はなく、それが「マーケティング的近視眼(マーケティングマイオピア)」という現象に繋がります。
③販売志向のマーケティング
大量生産が進展し、供給が需要を上回った頃の考え方です。企業は「生産した製品を如何に顧客に売り込むか」というプロダクトアウトの考え方を徹底しました。ドラッガーのいうセリングの時代といえるでしょう。
④マーケティング志向(消費者志向)のマーケティング
需要が完全に満たされた、現在のような、成熟した時代におけるコンセプトです。企業は消費者のニーズを第一に考える必要があります。
そして、それを充たし、顧客価値を最大化する商品を提供しなければなりません。マーケットインの考え方と言えるでしょう。
⑤社会志向のマーケティング
将来~未来にむけた考えかたであり、企業は消費者ニーズだけではなく、社会的責任や貢献も視野に入れた活動を行うべき、というコンセプトです。
消費者ニーズに合致し、さらに環境にも優しい製品を提供する等をしないと、これからの消費者の支持は得られません。これからは、社会志向のマーケティングがさらに進むもの、と思われます。
マーケティングの機能
ここでは、機能戦略としての「マーケティング戦略」と、全社戦略としての「戦略的マーケティング」について説明します。
少しややこしいかも知れませんが、「部分」か「全体」か、を意識すれば、すんなりイメージできるでしょう。
マーケティング戦略(機能戦略)
マーケティング戦略(機能戦略)とは、企業の一部分を担当するマーケティングとなります。
具体的には、営業戦略や人事戦略などの機能戦略と同じレベルで語られるものです。
実施内容としては、マーケティングの4つの要素である4Pを最適かつ統一的に展開させ、企業のマーケティング目標を達成します。
マーケティングの4Pとは、➀Product(製品)、②Price(価格)、③Place(流通)、④Promotion(プロモーション)、以上4つの要素の頭文字から作られた造語です。
自社の商品・サービスに取って最適な4Pのバランスを考え、統合的なマーケティングとして実践します。
マーケティングの4Pの各戦略については、下記の記事を参考にしてください。
また、伝統的なマーケティングの4Pには含まれないものの、現代のマーケティングにおいては、非常に重要なものがあります。それが「関係性マーケティング」「サービスマーケティング」であり、これらを抜きにマーケティングを語ることはできません。
それらについては、下記記事を参考にしてください。
戦略的マーケティング
マーケティングとは本来、一部門が担当するようなものではありません。
確かに、消費者ニーズを掴み売れる仕組みを作るマーケティングとは、企業全体とミッションとも言えるでしょう。
そのような考え方から、経営戦略や事業戦略の中心としてマーケティングの考え方を取り入れることを戦略的マーケティングと言います。
戦略的マーケティングとは、経営戦略や事業戦略とおなじもの、と考えてよいかも知れません。
マーケティングコンセプトとマーケティングの機能 <まとめ>
この記事では、以下2つの論点について確認しました。
- マーケティングの基本的な考え方であり、時代と共に変遷する「マーケティングコンセプト」
- 企業全体のマーケティングと、機能戦略としてのマーケティングの相違
いずれにしても、「マーケティング」という存在が、いかに企業にとって重要なものかお分かりになったと思います。
HP創業者D・パッカードの言葉に以下のようなものがあります。
マーケティングはあまりにも重要なので、マーケティング部門だけに任せてはおけない。…真に優れたマーケティング組織では、誰がマーケティング部門の人間なのか区別がつかないものだ
引用:オルタナティブブログ
まさに、マーケティングとは、企業全体で取り組むもの、と言えるでしょう。
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つづいての記事は、マーケティング活動の全体像である「マーケティングマネジメントプロセス」について説明しています。
ぜひチェックしてみてください。
著者情報 | |
氏名 | 西俊明 |
保有資格 | 中小企業診断士 |
所属 | 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション |