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診断士コラム

ITストラテジストの市場価値は高い?年収・求人動向と上げ方を解説【2026】

中小企業診断士とITストラテジスト

中小企業診断士とITストラテジストの市場価値は?業務内容の違い!

中小企業診断士ITストラテジストは、かなり相性のよい資格の組み合わせです。

どちらも「経営」や「戦略」を扱いますが、立場と仕事内容は少し違います。

  • 中小企業診断士:経営コンサルタントの一種。中小企業が抱える経営の相談に乗り、課題解決の打ち手を整理して提案する
  • ITストラテジスト:ITの専門家。経営的視点と技術的知見で、情報戦略(DX/IT投資)の舵取りを行う

共通点は「ヒアリング→現状分析→課題の整理→実行プランの設計」という流れを、プロとして回せること。

違いは「どこまで踏み込むか」です。診断士は事業や組織全体を俯瞰し、ITストラテジストはシステム化・要件定義・プロジェクト推進・運用(モニタリング)まで“実行”を強く意識します。

この記事では、ITストラテジストの市場価値を診断士の観点で深掘りしつつ、ダブルライセンスのメリット、難易度・勉強時間の考え方まで整理します。

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結論|ITストラテジストの市場価値は高い(理由は「DX需要×希少性×成果が出せる立場」)

「ITストラテジストの市場価値は高いの?」と聞かれたら、結論は高いです。

理由はシンプルで、事業(経営)とIT技術(システム)をつなぎ、DXを“実行”まで進められる人材が不足しているからです。

  • DX・クラウド・AI活用が当たり前になり、ITを使った事業改革が各社で拡大
  • 経営者/CEO層、各部門(営業/企画/開発/運用)と会話し、要件定義~推進までできる人は少ない
  • 業務効率化・コスト削減・売上向上など成果(KPI)で評価されやすい

IPA(情報処理推進機構)の定義でも、ITストラテジストは事業環境分析・IT動向分析・全体システム化計画・モニタリングとコントロールなどを遂行できる水準が期待されています。

つまり「現代の企業に必要な仕事」を真正面から担う、強いポジションです。

診断士の視点|「市場価値」は“希少性”だけでは決まらない

市場価値を上げる鍵は、ざっくり言うと次の3つです。

  • 希少性:できる人が少ない(経営×IT×推進)
  • 再現性:どの業界でも通用するプロセス(分析→構想→設計→実行→運用)を持つ
  • 説明力:成果を言語化できる(投資対効果、リスク、意思決定の根拠)

診断士の支援現場でも「ITは入れた。けど成果が出ない」という相談が多いです。ここで必要なのは、ツールやサービスの知識だけではありません。

目的の定義業務プロセスの見直し人材・体制(チーム/リソース)運用設計までセットで考え、関係者の合意を取りながら進める力です。

年収・報酬の目安|会社員は700~1,200万円が中心、フリーランスは案件次第で上振れ

市場価値を判断するなら、まず年収レンジを押さえましょう。

転職支援会社のデータでは、IT戦略(ITストラテジストに近い職務)の平均年収は約824.5万円、ボリュームゾーンは700~1,200万円とされています。管理職(CIO候補や部門長クラス)では1,000万円超も十分に現実的です。

フリーランスの場合は、エージェント経由で「IT戦略」「ITコンサル」「PM/PMO」などの案件として募集されることが多く、月100万円超の案件も珍しくありません(報酬は経験・専門性・交渉・稼働条件で変動)。

診断士の補足|「年収を上げる人」が必ず押さえる2つの指標

  1. 誰の意思決定を動かせるか:現場の作業改善だけでなく、経営者/CIOの投資判断に関われるほど強い
  2. 成果を数字で説明できるか:例)工数15%削減、リード獲得単価の改善、在庫回転率の向上、障害発生率の低下

「何をやったか」より「何が変わったか」。ここが強い人は、採用でも案件獲得でも伸びます。

求人・案件で多いポジション|「IT戦略/IT企画」「DX推進」「ITアーキテクト」「PM」文脈で探す

実務では“ITストラテジスト”という職務名で募集されないことも多いです。

求人検索では、次のキーワードで一覧を作っておくと探しやすいです(求人サイトにログインして条件を揃えると比較がラクです)。

  • 事業会社:IT企画、DX推進、情報システム部門の企画、データ活用推進、CIO/最高情報責任者候補
  • コンサルティングファーム:IT戦略コンサル、業務改革、システム化構想、PMO、全社アーキテクチャ
  • SIer:超上流(要件定義前の構想)、全体システム化計画、提案、パートナー管理、顧客(クライアント)折衝

また近年は、AWSなどクラウドAIIoT、データ基盤、セキュリティなど「技術テーマ」を持つストラテジストが強いです。

開発(プログラミング)を自分で行う場面は少なくても、技術の理解があるほど、設計の妥当性・リスク評価・ベンダー選定・運用監視(モニタリング)が強くなります。

案件選びのコツ|募集要項で“地雷”を避けるチェックリスト

  • 目的が書いてあるか(単なるシステム更改か、事業の課題解決か)
  • 権限があるか(誰が決定し、誰が承認するか。CIO/部門長が巻き込まれているか)
  • 現状把握ができるか(As-Isが曖昧だと、要件定義が破綻しやすい)
  • 運用まで含むか(導入して終わり、は失敗しやすい)
  • コミュニケーションの難度(関係者の数、外部ベンダー、交渉の頻度)

この5つを押さえるだけで、成功確率はかなり上がります。

市場価値を上げる具体策|「専門性×マネジメント×コミュニケーション能力」をセットで作る

市場価値は“資格だけ”で決まりません。

ただし、やることは整理できます。おすすめは次の3点です。

  1. 専門領域を決める:ERP/SCM、クラウド移行、AI・データ分析、セキュリティ、業務効率化など。自社の現状課題から選ぶと強い
  2. 成果の作り方を型化:現状把握→課題解決の仮説→要件定義→プロジェクト推進→運用・モニタリング→改善。数字で説明できるようにする(例:工数15%削減 等)
  3. 関係者調整を武器にする:経営者/CEO層、各部門、外部パートナーと合意形成できる人は希少。交渉・説明・ヒアリングの精度が、採用や案件獲得に直結

「チームを動かす」「立場の違う人に伝える」「プロセスを明確にして進める」――この3つができると、評価が一段上がります。

診断士の視点|中小企業DXで“刺さる”スキルセット

中小企業では、人材不足・部門兼務・属人化が当たり前です。だからこそ、次が効きます。

  • 現場の作業を言語化し、業務フローに落とす力(「何を・誰が・いつ・どのツールで」)
  • 段階設計:一気に変えない(小さく作って、検証して、拡大)
  • ITサービス選定:機能だけでなく、運営会社の信頼性・サポート・利用規約・費用感まで確認

ここまでできると、診断士としても強いですし、ITストラテジストとしても「使える人材」になります。

(補足)資格としてのITストラテジスト|IPAの定義と合格率15%前後を押さえる

ITストラテジストは、IPA(情報処理推進機構)が実施するレベル4の資格試験です。

試験では「情報システム戦略」「全体システム化計画」「評価・モニタリング」など、超上流の職務を前提に、解答の書き方(論述)まで問われます。

直近の合格率もおおむね15%前後で推移しています(例:令和6年度春期 15.8%、令和7年度春期 15.0%)。

難易度は高めですが、取得できれば「超上流を担える専門性」の証明として、転職・採用で評価されやすくなります。

中小企業診断士とITストラテジストのダブルライセンスのメリット!

キャリアアップを考えている方は、中小企業診断士×ITストラテジストのダブルライセンスを検討する価値があります。

理由はシンプル。経営戦略(診断士)情報戦略(ITストラテジスト)がつながるからです。

この章では、ダブルライセンスのメリットを、実務で使える形に落として解説します。

2つの資格の能力を活かしたサポートができる

診断士は「事業の課題」を整理できます。ITストラテジストは「システム化の設計」と「推進」が強い。

両方あると、提案が絵に描いた餅で終わりにくくなります。

  • 経営者の目的(売上/利益/人材/生産性)を把握し、課題を定義
  • 業務プロセスを整理し、システム化の範囲・優先順位を決定
  • 要件定義~プロジェクト推進、運用(モニタリング)で成果を出す

この一連を通せる人材は少ないので、差別化になります。

転職先の選択肢が広がる

選択肢が広がるのも大きなメリットです。

  • 中小企業診断士:中小企業支援機関、コンサル会社、金融機関、事業会社の経営企画などで強い
  • ITストラテジスト:IT企業、情シス、DX推進部門、コンサルファーム、SIerの上流で評価されやすい

「経営がわかるIT人材」「ITがわかる経営人材」は、今後も需要が高まる領域です。

試験自体の親和性が高い

試験の作りも似ています。

  • 幅広い知識(経営・IT・法律・組織など)を横断して使う
  • 文章で説明し、時間内に答案を作成する

特にITストラテジストは、経営戦略に基づいてIT戦略を策定する人材を想定した試験です。診断士の知識(分析・フレーム・事例の考え方)が活きます。

中小企業診断士とITストラテジスト どちらがおすすめ?

ダブルライセンスが理想でも、時間・仕事・家の事情で難しい方もいます。

ここでは「まずどちらを取るべきか」をケース別に整理します。

一般企業勤務の方・将来経営コンサルを目指す方は、中小企業診断士がおすすめ

中小企業診断士は汎用性が高いです。業界を問わず通用し、社内でも社外でも使えます。

非IT系の職種の方や、まだ専門領域が定まっていない方は、まず診断士で「経営の土台」を作るのが堅い選択です。

[レボとスタディング記事リンク]

IT業界でのキャリアを考えている方は、ITストラテジストがおすすめ

情シス、SIer、ITコンサル、プロジェクトマネージャー(PM)志向の方は、ITストラテジストが刺さりやすいです。

資格そのものが、上流の立場(企画・構想・要件定義)を示す「証明」になりやすいからです。

年収の比較(目安)|“レンジ”で見るのが正解

年収は働き方で大きく変わります。

  • 企業内診断士:500~1,000万円(役職・部門・成果で上振れ)
  • IT戦略/IT企画・ITストラテジスト周辺:700~1,200万円が中心(管理職で上振れ)

「どっちが上」よりも、「自分が狙うポジションで、何を成果として出すか」を決めた方が早いです。

中小企業診断士の年収については、下記記事も参考にしてみてください。

中小企業診断士の年収
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資格維持費用を比較|診断士は「更新」、ITストラテジストは「維持費ゼロ」

ITストラテジストは、資格取得後の維持費は基本的に発生しません。

一方、診断士は更新制度があるため、次の費用が発生します。

  1. 知識補充の要件(理論政策更新研修):5年間で約3万円(必須)
  2. 実務要件(実務従事):5年間で25~30万円程度(任意)
  3. 中小企業診断協会の入会金・会費:5年間で約30万円程度(任意)

②は実務従事に頼らず、自分で顧客を見つけて診断業務を行えばコストを抑えられます。

③も入会は完全任意です(入会すれば交流・仕事の機会が増える等のメリットはあります)。

中小企業診断士の資格維持費用については、下記記事も参考にしてください。

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中小企業診断士とITストラテジストを試験の難易度で比較!

難易度は気になりますよね。ここは「直近データ」で見た方が正確です。

直近の合格率(目安)|診断士は「1次で約24~30%」、2次は「約18~19%」

まず中小企業診断士(1次)の合格率(直近)は次のとおりです。

年度 中小企業診断士(1次)合格率
令和7年度 23.7%
令和6年度 27.5%
令和5年度 29.6%
令和4年度 28.9%
令和3年度 36.4%

次に、2次(筆記)の合格率(直近)は次のとおりです。

年度 中小企業診断士(2次)合格率
令和6年度 18.7%
令和5年度 18.9%
令和4年度 18.7%
令和3年度 18.3%
令和2年度 18.4%

診断士は「1次×2次」なので、両方を通すと体感難度は高めです。

ITストラテジストは毎年おおむね合格率15%前後で推移しており、こちらも簡単ではありません。

中小企業診断士試験の難易度については、下記の記事も参考にしてください。

中小企業診断士の難易度
中小企業診断士の偏差値は?62〜64と言われる理由と難易度の正体(1次・2次) こんにちは、トシゾーです。 民間で「経営コンサル」を名乗るのは簡単です。ですが、国(経済産業大臣)が“経営コンサルの専門家...

中小企業診断士とITストラテジストを勉強時間で比較すると?

勉強時間は、受験者の前提(経験・年齢・得意領域)で差が出ます。ここは“目安”として捉えてください。

  • 中小企業診断士:1次+2次で1,000~1,200時間が目安として語られることが多い
  • ITストラテジスト:論述があるため、経験×文章力で大きく変動(短期合格もいれば、数回受験もある)

ITストラテジストは「知識問題」だけでなく、「現場をどう設計し、どう進めるか」を文章で問われます。

逆に言えば、実務経験(SE/システムエンジニア、PM、IT企画、運用設計など)がある人ほど、伸びやすい試験です。

中小企業診断士試験の勉強時間については、下記の記事も参考にしてください。

中小企業診断士の合格に必要な勉強時間
中小企業診断士の科目別 勉強時間の目安|一次7科目の配分表と優先順位こんにちは、トシゾーです。 中小企業診断士試験は科目数も多く、難易度は高い、と言われています。 そのため、初学者の方は ...

中小企業診断士とITストラテジストを偏差値で比較!

ネット上の偏差値データでは、診断士とITストラテジストが同程度(例:偏差値60)とされることがあります。

ただしこれは公式ではありません。難易度比較は、偏差値よりも「合格率の推移」「求められるスキル(論述/分析/実務)」「自分の職務との相性」で判断するのがおすすめです。

中小企業診断士はコスパが悪い?

「勉強時間が長い=コスパが悪い」と感じる方もいますが、これは一概に言えません。

診断士は、経営の共通言語を一気に身につけられる資格です。社内でも副業でも活用しやすく、長期で効いてきます。

中小企業診断士とITストラテジストの関係性について、現場でよく出る論点を整理

ここは「SNSの声」をそのまま並べるより、読者が知りたいポイントを短く整理した方が読みやすいです。

よくある論点①|ビジネスとITの“接続”がいちばん難しい

ITの知識だけではDXは進みません。逆に、経営戦略だけでも現場は動きません。

両者をつなぐ役割(ストラテジスト的な立場)が不足し、市場価値が高まっています。

よくある論点②|「導入」は簡単、「運用」は難しい

ツール導入はスタート地点です。運用・定着・改善(モニタリング)が回らないと成果は出ません。

ITストラテジストが強いのは、まさにこの「運用まで見た設計」です。

よくある論点③|診断士×ITで“提案の質”が変わる

診断士の強みは、課題解決の構造化と、関係者の合意形成です。

そこにITストラテジストの強み(全体設計、要件定義、プロジェクト推進、リスク管理)が乗ると、提案が一段深くなります。

まとめ

中小企業診断士とITストラテジストは、方向性が噛み合う強い組み合わせです。

  • ITストラテジストは「DX需要×希少性×成果」で市場価値が高い
  • 診断士と組み合わせると、経営戦略から情報戦略まで一気通貫で支援しやすい
  • どちらを先に取るべきかは、あなたの立場(事業会社/コンサル/SIer)と将来像で決める

就職や転職、フリーランス案件の獲得で自分の市場価値を高めたい方は、学習を始めてみましょう。

著者情報
氏名 西俊明
保有資格 中小企業診断士
所属 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション