こんにちは、トシゾーです。
中小企業診断士試験に合格し、或いは養成課程を経て、晴れて中小企業診断士になった際に、最初に検討しないといけないこと。それは
中小企業診断協会に入会するかどうか
です。
この記事を読んでいる方の中には、
「そもそも中小企業診断協会って何ですか?」
と思っている人もいるかも知れませんね。
ここでは、中小企業診断協会のことを知らなかった方でもすぐに理解できるように、分かりやすく説明したいと思います。
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目次
中小企業診断士の「資格の登録」と「診断協会への入会」は違う!
中小企業診断士の場合、「資格登録」と「業界団体への入会」の関係性が、他の士業資格と比べて少々特殊です。
たとえば、社労士や行政書士などは、資格を活かして仕事を行う場合、社労士会や行政書士会などの業界団体への入会は必須です。
そのため、社労士や行政書士では
士業の仕事をする = 資格登録 = 業界団体への入会
という関係性があるのですが、中小企業診断士の場合は
中小企業診断士として活動する = 資格登録は必須、ただし業界団体への入会は完全に任意
となっているのです。
なぜ中小企業診断士だけ業界団体への入会は必須でないのか、その理由は明らかにされてはいませんが、おそらく
中小企業診断士には独占業務がないから
というのが、その真相だと考えています。要は、社労士や行政書士には彼らしかできない独占業務が与えられるので、その代わり「業界団体に入ってお布施しろ」、ということではないかと(笑)
ちなみに、中小企業診断士には「独占業務」が無い代わりに、「名称独占」が与えられます。
「中小企業診断士」と名乗れるのは、試験に合格して資格登録を行った者だけ、ということです。
(名称を名乗るのにどれだけメリット/デメリットがあるのかはさておき・・・)
ただし、業界団体への入会は任意でも、資格登録のためには実務補習を受けるなどが必要ですし、資格登録の維持のためには、5年ごとの資格の更新も必要です。つまり、資格登録だけと言っても、そんなに楽ではありません。
以下、この記事では、中小企業診断士の業界団体である「中小企業診断協会」について、詳しく説明します。
中小企業診断士協会ではなく、中小企業診断協会
前述のとおり、中小企業診断士の業界団体は、中小企業診断協会です。
ちなみに、「中小企業診断士協会」ではありません。「士」の字は入りません。
たいした話ではありませんが、結構、間違えている方も多いようなので、頭の片隅に置いて頂ければ、、、と思います。
中小企業診断協会とは
中小企業診断協会のWebサイトには、以下のように書かれています。
当協会は、中小企業診断士相互の連携を緊密にし、資質の向上に努めるとともに、中小企業診断制度の推進と普及を図り、もって中小企業の振興と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とし、昭和29年(1954年)10月に設立されました。その後、中小企業支援法(昭和38年法律第147号)に基づく中小企業診断士試験を実施する指定機関として経済産業大臣の指定を受けています。また、中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則に基づき実務補習及び更新研修を実施する機関として経済産業大臣の登録を受けています。
つまり、意訳(超訳?)すると、、、
- 中小企業診断士どうし、お互いの連携を深めるように働きかけ
- と同時に、それぞれの能力向上を支援する
- 同時に、診断士制度の推進および普及を目指し、
- それらの結果として、中小企業の進展と国民の経済について健全な発展へ貢献する
という目的があり、その他、
中小企業診断士試験
実務補習(試験に受かった者が、中小企業診断士として登録されるために必要な研修。全部で15日間の日程のコースとなる)
更新研修(資格更新のために必要な研修)
の3つを実施する機関として指定または登録されている、ということです。
中小企業診断協会の組織
中小企業診断協会の正式名称は「一般社団法人 中小企業診断協会」です。これは全国組織であり、配下に47の県協会があります。
基本的に、中小企業診断士が協会に入る場合、いずれかの県協会に入ります。
ただ、東京だけは人数が多いせいか、都協会の配下に、以下のような6つの支部があります。以下に一覧にしてみました。
中央支部
城東支部
城西支部
城南支部
城北支部
三多摩支部
この6つの支部は、一応、テリトリーとなる区域(特別区、市町村)が決まっているのですが、特に
「〇〇区に住んでいる(勤務している)から、〇〇支部に入らなければならない」
というようなことはありません。自由に支部を選ぶことが出来ます。
現実的には、自分の勤務先の会社または自宅の住所の近く、あるいは実務補習の指導員の先生に相談して選択し、申請することが多いようです。
中小企業診断協会の入会は任意
税理士や社会保険労務士など、資格を取って仕事をするためには、それぞれの業界団体への加入は必須となっています。
しかし、中小企業診断協会に入らなくても、中小企業診断士として活動できます。
中小企業診断士には独占業務がないことが、強制入会ではない理由?
なぜ、中小企業診断士には、業界団体への加入が強制されないのでしょうか。
理由は明らかにはされていませんが、一説によると
中小企業診断士には独占業務がない「名称独占資格」だから
と言われています。
一般に資格では、無資格者が業務を行うことを禁止されている「業務独占資格」と、独占業務をもたない「名称独占資格」の2つに分けることができます。
前述の税理士や社労士は、「業務独占資格」です。税理士や社労士の業務は、資格を持っていない者が行うことが禁止されています。
一方、「名称独占資格」には、中小企業診断士の他に、ファイナンシャル・プランニング技能士、保育士、栄養士、介護福祉士、社会福祉士、などがあります。
これらの資格は、資格保持者しか「〇〇士」と名乗ってはいけません。しかし、無資格の者でも業務を行うことができます。中小企業診断士以外の人でも、経営コンサルティングを実施することはできるのです。
つまり、
独占業務もないのに、費用のかかる業界団体の入会を義務付けるのはどうか、というお上の判断があった
という噂があるのですが、真偽のほどは分かりません。
中小企業診断協会の年会費は5万円
中小企業診断協会の会費は、所属する県協会によって詳細は違うものの、一般的には
入会費:5万円程度
年会費:5万円程度
と言われています。
前述のとおり、独占業務のない中小企業診断士の協会に
「年5万円支払うことは、高いのかどうか」
と考えてしまうかも知れません。
しかし、私の場合は、まったく高いとは思いませんでした。
というのも、私が入った中小企業診断協会の支部(東京都の中央支部)では、入会後に積極的に活動したこともあり、初年度で合計20万円弱の仕事を紹介してもらえたのです。
独立される方だけでなく、企業内診断士の方も、副業がOKな方は、いろいろと仕事を紹介してもらっていました。
もちろん、紹介してもらえる仕事の多寡は、地域・支部や時期にもよると思いますので一概には言えないとは思います。
あくまで私の場合はこうだった・・・ということですが、診断士の年収事情や副業事情について詳しくは、下記記事をご覧ください。
また、中小企業診断士の資格の維持費や更新料・年会費などの費用全般について詳しくは、下記の記事も参考にしてみてください。
中小企業診断協会の入会する方は意外と多い
中小企業診断協会に入会されている方は、中小企業診断士として登録している方のうち、5割もいないそうです。
あなたは、これを少ないと思いますか?
私は、意外と多いと思っています。
というのも、中小企業診断士の資格取得者の独立開業の割合は、2~3割程度だからです。
逆に言うと、中小企業診断士試験に登録しても、所属している企業で働き続ける方(企業内診断士)が7割以上います。
前述のとおり、独占業務がないので、独立することを躊躇してしまうのかも知れません。
いずれにしても、2~3割しか独立している人がいないのに、中小企業診断協会に5割近く入会しているということは、企業内診断士も数多く協会に入会している、ということです。
中小企業診断協会に入会するメリットには、資格の更新がラクな点もある
前述のとおり、中小企業診断協会の業務の1つに、「資格の更新業務」があります。
中小企業診断士は、5年に1回、資格を更新する必要があります。
その際、
30日以上の中小企業に対する経営診断業務
5日以上の理論更新研修(新たな知識を獲得するための研修を受ける)
を行っていないと、資格の更新は認められません。
中小企業診断協会に入会していると、これらの受講のサポートがあります(有償です)。
協会未加入の方でも、協会が主催する上記のサポート(経営診断業務、理論更新研修)を受講することはできます。
ただし、未加入(未会員)の方へは、会員の方のように、こまめに「研修実施のご連絡」などが送付されてくるわけではないので、自分自身で随時情報を取りに行く姿勢が必要です。
※診断士の資格更新手続きの詳細は下記をチェックしてみてください。
中小企業診断士同士のネットワークを作るには最適
資格の更新以外に、中小企業診断協会に入るメリットとしては
中小企業診断士同士の広範なネットワーク(人脈)が構築できる
ということがあります。
前述の仕事の紹介も、「診断士同士のネットワーク構築の副産物」という見方もできるでしょう。
各県協会(支部)には、数十名から数百名(都協会には、なんと数千名)の中小企業診断士の会員が参画しています。
そのなかには経験や実績が豊富な先輩診断士の方も多くいます。実務補習で指導をくださった先生がいる場合もあるでしょう。
さらに、各県協会では、多くの研究会や同好会があり、いずれも活発に活動しています。
そのため、各県協会に入会し、自分から積極的に活動すれば、多くのネットワークを作ることも可能です。
企業内診断士の方でも、各県協会に入会すれば独立診断士と接点を持つことができます。
将来の独立を視野にした企業内診断士が、多くの独立診断士とネットワークを作って情報を得たい、という気持ちで入会しているケースも多いようです。
中小企業診断協会の会誌は同友館が発行。編集者と縁が出来れば出版のチャンスもある!
中小企業診断協会の会誌は「企業診断ニュース」といいます。
この会誌の編集・発行は同友館が担当しています。同友館については、中小企業診断士の受験生にとっては「テキストや過去問題集の出版社」として、お馴染みでしょう。
ご存じのとおり、以下のような出版物を出しています。
そのため、企業診断ニュースに投稿・寄稿することで、本を出す機会に近づくことができます。
というのも、企業診断ニュースを読むのは、99%が中小企業診断士と考えて間違いありません。一般的な出版物と比較すると、読者からの投稿したり寄稿したりする方のボリュームが小さいことは明らかです。
つまり、投稿・寄稿が編集者さんとの縁をつなぎ、そこから出版に繋げることができるのです。
私の知り合いにも、同友館の雑誌に連載を持ったり、単行本を出版することに成功した人などがいます。
中小企業診断協会に入ることにより、出版のチャンスもグッと近づきます。
中小企業診断協会の会誌「企業診断ニュース」の詳細は、下記の記事も参考にしてください。
また、「ふぞろいな合格答案」や「過去問マスター」について詳しくは、下記の記事をチェックしてみてください。
中小企業診断士のバッジは、中小企業診断協会に入会しないと入手できない
士業と言えば、スーツの胸元に金ピカのバッチが光っているイメージがありますよね。
代表的なものは、ひまわりをモチーフにした弁護士バッジでしょう。ドラマなどで良く見かけます。
中小企業診断士にも、もちろん資格を表すバッジがあって、2016年に現在の「羅針盤」をイメージしたものに刷新されました。個人的には、なかなかカッコ良いと思います。
この中小企業診断士バッジ、実は中小企業診断協会に入会しないと入手できないのです。さらに、バッジは貰えるわけではなく、希望者に有償で貸与されます。
また、バッジには番号が刻印され、「誰に何番のバッジを貸与したか」を協会側で管理しています。酔っ払って落としたりしないようにしましょう。
他の士業と違い、中小企業診断士はバッジ着用は義務ではありません。しかし、やはり着用しているとカッコいいし、モチベーションも湧きます。
このように、バッジ着用ができることも、診断協会入会のメリットと言えるでしょう。
中小企業診断士のバッジについて詳しくは、下記の記事も参考にしてください。
結局のところ、中小企業診断協会に入会したほうがよいのか?
中小企業診断協会は、年会費5万円と、決して安くない会費を取ります。
さらに、会費を払ったからといって、独占業務ができるわけではありませんし、入会しなくとも、中小企業診断士を名乗って仕事をすることはできます。
しかし、入会したことで得られる人的ネットワークは非常に大きなものです。
結論としては、
明確な目的を持って、人的ネットワークの構築や、そこから得られる情報を活用したい
と考える人であれば、入会するメリットは大きい、と言えるでしょう。
中小企業診断協会について まとめ
ここまで、中小診断協会について、まとめました。
特に独立を考えている中小企業診断士予備軍の方にとっては、中小企業診断士に登録後、とても関係が深い組織となります。
「経営コンサルタントとして独立」というと、孤独なイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、実際のところは、独立診断士の多くの方が中小企業診断士のネットワークの中で助け合ったり、情報を共有したりしています。
特に、中小企業診断士の受験勉強をしている方には、そのような将来活躍しているイメージをモチベーションに変えて、受験を乗り切って欲しいと思います。
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著者情報 | |
氏名 | 西俊明 |
保有資格 | 中小企業診断士 |
所属 | 合同会社ライトサポートアンドコミュニケーション |